YEAR: | 2015.03 |
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AREA: | |
TOTAL AREA: | 480.46 |
STRUCTURE: | RC・S/2F・B1F |
CITY: | Hyogo/Ashiya |
芦屋市高台の斜面地にたつ住宅である。 半世紀前からそこに存在していたかのような石積みの壁を道路と平行に据え、 その軸に対し平行・直行方向にフォルムの異なる構造物を派生させて空間を構成している。 その構造物によって動線が生まれシークエンスの展開が広がる。石積みの壁の中央に門扉がある。 その奥の壁で立ちどまると、左には水盤のある中庭空間が、右には自然な転石のガーデンを背景としたホールがある。 壁に沿って進むと広いリビングに導かれる。 そこには玄関ホールから地階に下りる階段と、2階へ上るコールテン鋼の階段が石の壁と直行方向に配置され、ハレの空間とケの空間を柔らかく分節している。 この2軸の構造物の干渉する部分にガラスを用いることによりその奥の空間を垣間見ることができる。 そうすることで素材がレイヤー状になって見え、空間の広がりを感じさせている。 建築を設計する際、建ち上がると同時に周辺環境に息づくものを創ることを大切にしている。 敷地は古くから関西財界の人々の閑静な住宅が立ち並ぶ地域にあり、この土地の持つ歴史を大切にしたいと考えた。 壁を石で積み上げ、まちに馴染む掻落としの外壁、ロートアイアンの門扉、小幅板のコンクリート打ち放しなど古くからの素材及び手法を採用している。 一方、メタルファブリックやファブリックを挟んだガラス、コールテン鋼、プロフィリットガラスなど、新しい素材も多く採用している。 吟味されたこれらの素材は古くからの素材と同様に今後歴史を重ね、生命力をより強くもつ。 古くからの手法に新しい手法を組み合わせて多様な空間をつくりだした。 稜線の整理されたディテールにプラスの要素を細部に加える事でやさしさと気品を兼ね備えている。 この地域は街並みと景観、また眺望の確保を大切にしており厳しい高さ制限がある。 傾斜地の建物 は平均地盤の算定などで軒高の制限が厳しく、ある程度必然的に各部の高さが決定された。 そこで、2階のヴォリュームは敢えて軒高の制限をそのまま活かせる形状とし、小幅板打ち放しの構造物を石積みの壁に垂直に乗せて、 このヴォリュームのもつフォルムの面白さを強調させている。その表情は小幅板の打ち放しに凹凸をつけることにより、時間とともに変化する陰影を見せている。 内部は小屋組を表しとすることで内部空間の高さを最大限確保している。 道路面はプライバシーを考慮して計画的な開口部を配置し、境界からの距離、素材の使い方により 表情に変化をもたせている。 石の塀とガラスの塀にかこまれた内側にリビングと一体的に使えるフラットなコートヤードを設けた。 地下のレベルには道路側からは想像し得ない敷地形状をもつ崖地のガーデンが広がる。 自然の高低差をほぼそのまま利用しながら敷地内に眠っていた転石と樹々を配することで、自然環境を損なわせず最小限の行為により環境を再生している。 傾斜地のガーデンから建物を見ると二枚の水平材 に挟まれたヴォリュームが宙に浮いており、道路側とは全く異なる表情を見せている。 二つの庭の中心に位置するリビングはコートヤードからの風やガーデンからの光を受け、多様な色 彩の様相を呈している。