住宅設計は、住まい手の生活動線や日々の使い勝手を想像しながら検討を重ねます。
そのプロセスの中で、空間特性や住まい手の個性に寄り添うオリジナル家具が生まれることがあります。
今回ご紹介するのは、京都のマンションの1住戸をフルリノベーションした O HOUSE-KYOTOです。
この住まいは、ご夫婦の週末住宅として設計を開始しましたが、 打ち合わせを進めるうちに「子どもたちが遊びに来たときに泊まれるようにしたい」という要望が加わりました。
限られた面積の中で、この要望に応えるために提案したのが、壁収納ベッドです。

このベッドは使わないときには壁にすっきりと収納され、リビングに広々としたゆとりを生み出します。

一方、子どもたちが泊まりに来たときには、簡単にベッドを展開できる仕組みとなっています。
壁収納ベッドは既製品としては木目で統一されたデザインですが、この空間と調和するようにベッドを収納した時に見える面を壁と同様の塗装とし、 内部には間接照明を組み込みました。
夫婦二人の暮らしと家族の集まり、どちらのシーンにも柔軟に対応できるこの設計は、空間を無駄なく活用する工夫の一例といえます。

こうした住まい手のライフスタイルに寄り添ったアイデアや、空間を最大限に活用する工夫を取り入れた事例は他にもあります。 また次の機会にご紹介できればと思います。