S HOUSE-TAKAKURADAI
YEAR: 1994.05
AREA:
TOTAL AREA:
STRUCTURE:
CITY: Osaka/Sakai

この住宅は、オーナーがご両親と同居するために建て替えられた二世帯住居である。 ご主人からの要望は「食」を中心とした住まいであった。これに応え、食する・調理する・くつろぐの3要素を1つの空間に取り込んでいる。 2世帯は機能的には完全に独立しているが、随所で各々の存在を確認できる空間構成を採っている。両親側玄関の上部には、オーナー家族側の廊下にあたるブリッジが架けられている。 この2世帯の結合部は木製カーテンウォールに覆われ、共有された空間はお互いの気配を伝えあっている。構造体は壁柱ラーメンの重厚な壁を持っ箱体で、柱・梁の凹凸のないシンプルなものとし、屋根は木造小屋組を採用している。 モルタル木ゴテ荒ずりの上にペンキ拭き取りを施した壁、舗道石を風化した雰囲気に仕上げた床、足場板を利用したフローリングなどの仕上げにより、無機的要素に有機的要素を取り込んでいる。 こうして、空間は普遍的なものとして息づき、もとより生活の工夫好きなご夫婦が自由に住まうことの楽しさを再発見し、住まい方の創造性を高めることができるように設計している。