N HOUSE-MEGAMIYAMA
YEAR: 2002.02
AREA:
TOTAL AREA:
STRUCTURE:
CITY: Hyogo/Nishinomiya

この住宅は、西宮市甲山森林公園の南西部、周囲に緑が多く残る閑静な住宅地の中に建っている。 建物は南向きの傾斜地に計画したため、山あいから大阪湾が一望でき、美しい景色を持つ住宅になっている。 道路から約一層分を階段でアプローチし、ポーチから扉を開けると、吹き抜け部分まで続く黄色い壁が視線を南側へと導き、ガラス面には緑を一望する景色が広がる。 これは、細長い玄関ホールの採光と、2階部分への期待感を高める演出である。 2階に設けたリビングは、住居内でもっとも見晴しがいい。このポジションは、工事の着工前から、足場を組んで高さを検討し、最高の眺望を取り込んだ。 また、リビングの屋根を壁から浮かせた事により、より一層光に満ちた開放感の高い空間となった。これらは "リゾート" をコンセプトに、ここに住まれるオーナーに対して住宅の中でリフレッシュできる空間の構成を意図している。 構造体は、壁柱ラーメンの重厚な壁を持つ箱体で、柱・梁の無いシンプルなものとし、仕上げは珪砂入りのペンキ塗の壁に、節のある無垢のフローリングを組み合わせる事により、無機質になりがちな空間に、有機的要素を取り込んでいる。 こうして空間は普遍的なものとして息づき、もとより生活の工夫好きな御夫婦が自由に住まうことの楽しさを再発見し、住まい方の創造性を高める事ができた。